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全頭って、やった方がいいの?否定的な人もいるみたいだけど、どうなんだろう。
そう思っている初心者の方もいるかもしれませんね。
全頭については「やるべき」「そんなの時間のムダ」という感じで、賛否両論あります。
初心者の方の中は、まだ自分なりのせどりのやり方が確立していないでしょうから、迷ってしまう人もいることでしょう。
結論から書きますと、個人的には「全頭はやるべき」だと考えています。
その理由は、「目利きの仮説を立てるのにも、ある程度の経験は必要」だからです。
そして「利益額はいつも変わっている」からです。
また「自分が思いもよらないような利益商品というのは、いつでもある」からです。
具体的に説明していきましょう。
そもそも全頭とは
本せどりをやるときの仕入れ商品の探し方として、「全頭」と呼ばれる方法があります。
家畜の病気を調査をするのに、ピックアップしてサンプリング調査するのではなく、すべての個体を調査する方法を「全頭検査」と呼びます。
おそらくそこから来ているのだと思いますが、「棚に並んでいる古本の価格を片っ端からリサーチして、利益商品を探す方法」が、本せどりで言う「全頭」です。
基本的な考えとしては、「店の中に利益商品がまったくないということは考えづらいので、全頭していればいつかは利益商品は見つかる」というようなことでしょう。
ただ正直に言って、古本屋に並んでいる商品のほとんどは、仕入れても利益などないものばかりです。
ですから、「全頭は時間のムダ」という意見にも一理あると言えるわけです。
それでもボクが「全頭はやった方がいい」と考えるその理由を、3つほどご紹介していきます。
全頭のすすめ①:目利きの理論を初心者が立てるのはむずかしい
全頭については、時間のムダだと言う人もいます。
そういう人は、目利きで仕入れているのでしょうし、他の人もそうすべきだと考えているのでしょう。
もちろん初心者であっても、「こういう本が利益商品なのではないか」という仮説を立ててみることはできるかもしれません。
そして、それを検証するためにリサーチすることができる人もいるでしょう。
そんな風に仮説と検証のサイクルを回していけば、そのうちに自分なりの目利きのルールが見つかるかもしれません。
ですが、そもそも「目利きのための仮説」を立てることが、初心者にはかなりむずかしいものと思います。
ある程度の経験を経て、「こういうのが利益が高いんじゃないか」という仮説が浮かび上がってくるのが普通の流れだろうという話です。
全頭のすすめ②:利益は増減し、トレンドがある
古本の中には、「特定のタイミングでだけ高値になる本」というのがあります。
具体的には、例えばこんな本です。
こちらの本は某大手のユーチューバーが本の物語を紹介したタイミングで、価格が高騰しました。
他にも、スポーツ選手の引退や著者の訃報なども、価格が高騰するタイミングになりえます。
もちろん、アンテナを張り巡らせて、日々たくさんの情報をチェックすることで、利益商品を捕まえるタイミングを増やすことはできるでしょう。
けれども、さすがに限界があります。
上記のように、理由がある程度わかる場合もありますが、「なぜこんなに高騰してるの?」と分からない場合もよくあります。
そうなると、目利きでは探しようがありません。
全頭のすすめ③:予期せぬ利益本はいつでもある
目利きをするということは、自分が狙っている範囲以外を無視するということを意味します。
けれども、自分が狙っている範囲以外にも利益商品というのは必ず存在します。
全頭をしていると、思いもよらない利益商品に出会うことがよくあります。
これはまた本せどりの楽しみの一つでもあると、個人的には思っています。
そういう発見をしながら、自分の目利きの腕を磨いていくというのもまた、本せどりの面白いところだとも思うのです。
ゆくゆくは全頭と目利きをおりまぜて調べる
全頭をオススメする理由について、3つほど書いてきました。
ただし、目利きを全否定するようなつもりはありません。
実際、ボクが本せどりをするときにも、全頭と目利きをおりまぜて利益商品を探しています。
目利きの根拠になるのは、何年もせどりをやってきた中で得た感覚です。
「ここは見てもしゃーないな」と思う棚を飛ばしたり、「この本は怪しいな」と思う本をリサーチしたりといった具合です。
何となくですが、全頭をやって「もうイヤだ」「やってられない」と思ったときの方が、目利きのためのいい仮説を立てることができる、というような気もします。
そのくらい人は、ものを考えようとしないという話なのでしょう。
いや「人は」じゃなくて、「ボクは」なのかもしれないですけど。
でも、普通に考えられている以上に考えることって重労働で、なかなかしようとしないというのは本当だと思います。
そういう意味では、「行動と思考というのは両輪だ」という風に思うのです。
まとめ
最後に、個人的に「全頭はした方がいいよ」と思う理由をカンタンにまとめておきたいと思います。
以下のようなものです。
- 目利きの仮説を初心者が立てるのはむずかしいから。
- 価格高騰の原因をすべて追うのはムリだから。
- 全頭によって新たな発見・知見が得られるから。
- 全頭で学びながら目利きを鍛えていくことができるから。
- 全頭にうんざりしたときの方がよく考えるから。
というわけで、「全頭すべきかどうか問題」に対するボクなりの回答を書いてみました。
ところで、こちらの出版社の情報によると、日本では毎日200冊以上が出版されているのそうです。
出版不況と言われて久しいですが、価値観の多様化によって、以前よりもマニアックな本が増えていると言えるのではないでしょうか。
部数の少ない本がたくさん出版されているとも考えられますから、本せどりには悪くない状況なのかもしれません。
今後も、状況は変わっていくことでしょう。
変化の兆しを掴んで新たな利益を掴んでいくためにも、おそらく全頭のメリットがなくなることはないものと考えています。
以上、ご参考になれば幸いです。
本せどりを、楽しんでいきまっしょい。